私たちは普段意識していなくても、なにかしら生まれ育った土地の影響を受けているものです。一日の終わりにホッとするひと時を過ごすバスルームに、自分が暮らす国や地域の文化を感じられたら心が安らぎそうですね。国によってすこしずつ異なる世界のお風呂を10紹介いたします。
こちらはATELIER137-ARCHITECTUAL DESIGN OFFICEの設計によって軽井沢に建てられた住宅です。川のせせらぎが聞こえるそうです。お風呂は二面が窓になった開放感ある空間。林に囲まれた立地を活かし、窓いっぱいに緑が見えるようになっています。丸いバスタブもラグジュアリーな雰囲気です。もまるで森林浴をしているようなバスタイムになりそうですね。
こちらはイタリアに建つ住宅のお風呂です。たくさんの緑の中にあるこのお家は、内装も木材をふんだんに使った光あふれる空間です。お風呂も床、壁、天井など木に囲まれており、ゆったりと過ごせそうです。天窓からの光が、プライバシーを守りながら明るい空間を実現させています。明るい太陽の国イタリアらしいバスルームですね。
ロシアに造られたこちらのお宅は白を基調としたロマンチックなお家です。部屋の雰囲気を継続したバスルームもペンキが剥げたような壁紙にカットワークの美しい鏡が幻想的で、中世のお城のようですね。床に見られるタイルと同系色のものが洗面所にも共通して使われており、可愛さをプラスしています。
こちらはインドの住宅に造られたバスルームです。ターキッシュタイルやブルーのランプなどが美しいアイテムがエキゾチックな空間を作り出しています。壁の深いブルーも落ち着きを感じさせ、素敵ですね。
イギリスの住宅のバスルームです。グレーにシンプルな白いバスタブがとてもシックな印象ですね。ゆったりとバスタブに浸かりながら、大きな窓から乾いた緑とイギリスらしい美しい、古い町並みが望めます。
こちらはフランスのバスルームです。洗面所にシャワーブースと言うシンプルな間取りですが、色や素材で強弱をつけたパネリングが空間に表情をもたらしています。差し色に使われた赤がフランスらしくてお洒落ですね。
ブラジルのバスルームは明るく元気になれそうな空間です。色ガラスやカラフルなタイル、洗面台の下の棚の、明るい黄色など、目に楽しい工夫がいっぱいです。他の写真も見た印象では、ブラジルのバスルームはとにかく明るくエネルギッシュなものが多いように感じました。一日の終わりに元気をチャージ出来そうなバスルームです。
こちらはトルコのバスルームです。トルコにはハンマームという蒸し風呂の文化があります。蒸気を出す浴槽を温める燃料には木材や乾燥させた人畜の排せつ物が使われ、その火種は料理などにも使われるそう。灰もセメントやモルタルの原料として再利用されるらしく、この文化は高く評価されています。伝統的な文化ですが、この写真は落ち着いた色味の石材がモダンなバスルームです。シックな空間にカラフルなステンドグラスがアクセントになっていますね。
こちらはポーランドのバスルームです。大胆なバイカラーの壁と、一枚板の石材の壁が迫力があります。シンプルで優しい曲線を描くバスタブが、特徴的な内装を上手く調和させていますね。
最後にもう一度、日本のお風呂です。築100年の京町屋をリノベーションしたこちらの住宅のお風呂は、和風庭園を眺めながらくつろげる空間です。四季折々の日本の植物を見ながらのんびりとすれば、老舗旅館にいるような心地になりそうです。美しい木材の壁から木の匂いがしてきそうですね。