空間の価値と可能性を高めたリノベーション

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築地・ROOM・H(TSUKIJI・ROOM・H), 吉田裕一建築設計事務所 吉田裕一建築設計事務所 Cuartos de estilo moderno
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リノベーションで可能になるのは古い住宅を新しくモダンに生まれ変わらせるだけではありません。オフィスとして使用されることを想定して建てられたビルの部屋でさえ、快適な居住空間に作り替えることができるのです。今回クライアントはそのビルの2室を購入し、1つの住居として住まうため、東京に拠点を置く吉田裕一建築設計事務所にリノベーションを依頼しました。クライアントからの希望は「生活するために必要な最低限の機能を確保しつつ、外部側になんでもできる場所をできるだけ大きく取りたい」ということ、そして5〜10年程度住んだら賃貸もしくは転売して他へ移り住むという想定でした。どのような住宅になったのでしょうか、さっそく見て行きましょう。

広々とした内部

こちらがその内部。クライアントの希望通り広々とした大きな空間で、仕切りのないワンルームのような造りになっています。しかしベッドが置いてあるスペースには収納式の引き戸が設置されており、簡単に寝室として空間を仕切ることができます。快適で深い眠りのため、そしてもちろん来客時のプライバシーの確保にも有効かつ手軽な手段です。

玄関

こちらは土間のような機能を持った広めの玄関。剥き出しにしたコンクリートがビルならではのインダストリアルでクールな雰囲気を作っています。収納も機能重視のシンプルなものにして。集合住宅や特にビルにおいては玄関に窓が無い場合も多いですが、こちらの住宅ではこのように開口部がひとつあることで自然光が射し、玄関とその先の廊下の明るさを確保しています。たったひとつでも開口部があるのとないのとでは大きな違いが生まれます。

キッチン&ダイニング

こちらは寝室と隣り合う形に配置されたキッチン。シンプルでコンパクトにまとめられたキッチンは機能が集約されており使い勝手も良さそう。きれいな色味のダイニングチェアが空間の差し色になっています。

バスルーム

トイレ、洗面台、浴槽&シャワー、洗濯機などが一カ所にまとめられたバスルームです。コンクリートの質感がクールで男っぽい雰囲気ながら、その他をオフホワイトで統一することで温かみと家庭的な雰囲気もあります。

コンクリート&木材

天井のコンクリート、そしてそこを這う配管はまさにインダストリアルスタイルの象徴のようなもの。しかし反対に床は正方形を組み合わせた明るい色のフローリングがナチュラルで優しげ、という対照的な要素がお互いを引き立て合い、この住居の大きな魅力のひとつとなっています。コンクリートを使ってみたいけど冷たい印象にならないか… 、ミックススタイルに挑戦してみたいけど何を組み合わせればいいか分からない… という方にもコンクリート&木材はお勧めの組み合わせです。

可能性と価値を上げるリノベーション

建築家が、クライアントの希望する「なんでもできる大きな空間」を作るために取った手段は、ゾーニング(空間計画)をより大まかに見ることで通常あまり隣り合わないような機能同士をできるだけ間仕切ることなくコンパクトに並列併存させる、というやり方でした。通常とは反対のゾーニング計画とも言えますが、こうしてできた空間は住まいとしてだけでなく、オフィスやSOHOとしても使えるであろう強度と可能性を得て、更にはこの地域におけるリセールバリュー(再販価値)を上げることも可能にしたという、空間としての様々な価値を高めたリノベーションとなったのでした。

【リノベーションについては、こちらの記事でも紹介しています】

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